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2009.11
じぃじ先生 ちょっと教えて
 

葉っぱはなぜ赤くなる?

 

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近所の図書館の庭、紅葉のはじまり。



紅葉は山のにぎわい。木曽福島にて



左:ケヤキ、右:エノキ



サワルナ危険! のツタウルシ



黄色で目立つ、カラマツ



どんぐり帽子のファミリー in 紅葉

 

 

風邪をこじらせて3日ほど学校を休んでいる間に、通学路にたわわに実ってたおいしそうな柿はすっかりなくなっちゃったし、木々も紅葉しはじめていてビックリ。

♪秋の夕日に照る山もみじ・・・
新聞もテレビも軒並み、この時期「モミジ」「もみじ」「紅葉」の字と、赤・紅・橙・黄色の写真だね。
学校の、あの立派なケヤキはどうなっているかな?

うん、そろそろ赤くなってきたよ。
ところで、紅葉のニュースで、「今年は早い」とか「今年は色がキレイ」とかいろいろ聞くけど、紅葉の時期やきれいさは何が関連しているの?


何だと思う?

・・・やっぱり気候かな?


そのとおり。
その樹木の状態など他の要因もあるけど、大きくはお天気だ。湿度が高く、急な冷え込みがある年が、きれいな紅葉になると、考えていい。

色素が早い時期につくられると、早く紅葉するってことなのかぁ。
そもそも紅葉になる仕組みって?


紅葉のあと、葉は落ちるよね。葉が落ちる前に、葉柄(葉の軸)の付け根に離層というものができる。これができると、葉の中の物質が枝に移動しにくくなり、糖類が溜まってアントシアンなどの色素ができる。こうした色素のでき方に、気候条件が影響するんだよ。

色は赤と黄色、中間みたいなものもあるよね。それはどうして?

色素に何種類かがあり、その混ざり具合が違うからだよ。
ケヤキは赤色だが、同じ科のエノキは黄色といった具合に違うんだ。

赤になるとか、黄色になるとかは、木ごとに決まっているの?

そう。色素の種類と分量が木の種類によって違うからと思えばいいだろう。
赤(紅葉)の代表はなんと言ってもカエデ科のモミジ類。
紅葉することを「モミジする」というくらいだもの。

他に、錦木の漢字をもつニシキギ、ツツジ類、ハゼ類、ウルシ類、ナナカマド・・・。

注意すべきは、ツタウルシ、これは大きな木に這い登っていて、鮮やかな赤色は抜群。つい触りたくなるが、ウルシの仲間で、かぶれは最高。キケンキケン!

黄(黄葉)はイチョウが代表選手。カンバ類もきれいだなァ。それにカラマツ。

赤があって黄色があって、そして緑もある。いろいろな色があるから、あのきれいな景色になるんだね。

そう。そうした景色の色合いを、昔の人は錦の織物に例えたんだ。

「このたびは幣もとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに」! 百人一首だ。

お見事! 菅原道真、天神様の歌だね。
百人一首には、こんなのもあるさ。
「嵐吹く三室の山のもみぢ葉は竜田の川の錦なりけり」(能因法師)
竜田川は、奈良の斑鳩の里を流れる川。その川辺は古くから紅葉の名所だった。現在もだよ。

でも紅葉といえば、やっぱり嵐山だよね。
このシーズンは紅葉のニュースで必ず映る。


そう、嵐山は古くからの景勝地。百人一首にある藤原定家の歌を知っているかな?

確か・・・「小倉山峯のもみじ葉心あらばいまひとたびの行幸またなむ」。

それそれ。小倉山は京都の嵐山のそばなんだ。彼はそこに山荘を構えていたようだよ。
山のアカマツ林の緑をバックにして、春はサクラ、秋はモミジが色を添えて、その姿が清流に映り込む・・・。その風景の美しさに、現代も、毎年大賑わいだ。

きれいな景色、しばらく楽しむことにしようっと。

 

 

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