街並みにせよ、鉄道にせよ、古いものの値打ちを認めて大切にすることが、ロンドンではすごく自然に、皆のなかに根付いているんだよね。
たくさんあったミュージアムも、そう感じた場所のひとつ。
ミュージアム、本当にたくさんあったなぁ。 大英博物館はもちろんだが、じぃじ先生としては、自然史博物館に感心したよ。
あそこは、もともと大英博物館が持っていた自然史系のコレクションを、1881年に建物を新築して移したものなんだって。
きっと大量の標本があって、「場所ふさぎで迷惑だ」って追い出されたんだろう。 とにかく建物が大きいし、大通りに面して堂々としている。大英博物館より立派なくらいだった。
ロマネスク様式の重厚な建物なのに、天井には植物の絵が何百枚もあるし、壁には動物や植物の彫刻が、それはもうあちこちに。 さすが自然史系コレクションのためにつくった建物、動植物への愛情に満ちていて、それだけで圧倒されたよ(笑)。
そうだね、本当に。もちろん、展示の充実ぶりは言うまでもなかった。
入ってすぐに、日本のタケの展示があったろう? 嬉しくてねぇ。 説明には「タケの伸長記録1日に1m」とあったので、隣にいた英国人ファミリーに「現在のギネス記録は1.2mですよ」と言ってしまったよ。
もう、びっくりだよ(笑)。 でも、思わず言っちゃうくらい、じぃじ先生はもちろん、そのファミリーも熱心で楽しんでいたってことだね。
東日本大震災の映像や、阪神大震災を体感できるコーナーがあったのにも驚いた。イギリスは地震が少ない国だけど、きちんと教育している。
というより、少ない国だからこそ、なのかもしれないね。
話し出したらキリがないけど、生態学の食物連鎖の説明の剥製、覚えているかな。 草食動物がトラに食べられていて・・・。
じぃじ先生の名言、「えげつない剥製やなぁ」(笑)。
いやぁ、あれにはびっくり。日本では見たことない。さすが肉食の国だ。
あははは。そして忘れちゃいけないのが、世界一の巨木・セコイア様の輪切り標本。もう大きくて大きくて。
本当に。展示円盤(幹の輪切り)の直径は、3.5uくらいあったんじゃないかな。
しかし、このギガントセコイア、世界最大木の直径はなんとあの3倍もあるんだよ(→2012.9森林雑学ゼミ)。
そんなサイズ、あのホールに入らないよ。
あれでも十分すぎるくらいで、メインエントランスのホールを見下ろす特等席に、どどーんとそびえていらっしゃったんだから。
いやまぁ、そう言えばそうなんだけれど、何しろ館内が広すぎてねぇ。 動線はわかりにくいし、大混雑で、たどりつくまでが大変だった。
うん、混んでいたね。子どもも大人もたくさん。でもみんなとても楽しそうだったよね。 入場無料っていうのもあるかもしれないけど、それ以上にやっぱり魅力的な展示があるっていうことなんだろうな。
子どものころからあんなふうに「自然はすごい、科学はおもしろい」ということを、博物館で実感できるのはすばらしいことだと思うよ。
で、残念ながら、じぃじ先生は時間切れで帰国。見たいものはまだまだあったんだがなぁ。
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