京都府立植物園マップ
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植物園北山門の貼り紙。 赤い立入禁止区域の多さに、言葉が出ない。
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今年の関西は台風の連続。もう、気が滅入っちゃうよ。
特に京都直撃の台風21号(2018年9月4日)では、市内のあちこちで大きな被害が出たね。
おなじみの上賀茂神社も京都御所もひどいことになっていたし(→2018.9.11ひとりごと)、サクラで有名な平野神社では、江戸時代初期の建築で指定文化財の拝殿が倒壊してしまった。二条城でも被害が出ている。
京都府立植物園でも、たくさんの木が倒れたって聞いたよ。
そうなんだ。園内は大変な被害でね。その後の整備のために5日間も閉園していた。ようやく9月10日から再開したので、その翌日9月11日に早速行ってきたよ。
どんな感じだったのかな。もう片付いていた?
いやいや、まだまだ。もちろん危険のないように整えられてはいたが、まだ多くの部分が立入禁止になっていた。入口のところには、こんな貼り紙があってね。赤い部分が立入禁止区域だ。
え、結構広くない? 禁止エリア。
そうなんだ。園内のあちこちには、黄色いテープが張り巡らされていたよ。
広い道に倒れこんだ木は処理されて、安全に通行できるようになっていたけど、見える範囲だけでも、かなりたくさん倒れていたなぁ。
新聞には、植物園全体で約200本の被害と出ていたけど。
う〜ん。まぁ主要なものを数えたらそうなるだろうね。でもざっと見た感じでは、とてもそんな数ではおさまらないんじゃないかな。
実際はもっとひどいってこと? |
2016年12月撮影
9月11日撮影
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地図を見ながら説明しようか。
まず ① だ。毎年冬のイルミネーションでおなじみの木といえば、わかるかな。
うん、北山門から入ってすぐのところの樹高20mのトウカエデ。
白一色のイルミネーション、神々しくてきれいなんだけど・・・。
それがこのありさまだ。
あれ? なんだか形が違うよ。高さも低いような・・・。
わかるかい? そうなんだ。こずえが風で折れてしまった。
ええー! 今年のライトアップどうなるんだろう! |
9月2日撮影
9月11日撮影
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この木 ② はわかるかな?
これは確か、去年の台風でやられたヒマラヤシーダー。
そう、2017年の台風21号で、幹から太枝が2本削げ落ち、幹も上方で折れたが、直立のまま1年過ごしたところだった。
今回、たまたま台風2日前に植物園のイベントに出かけ、そのついでに、その後どうしてるかなと寄ってみたんだが、その時はこんな姿でちょっと安心していた。
それが今回の台風でこれだ。
右側の枝がなくなってる!
2年連続の災難だ。健全回復を祈りたいよ。 |
9月11日撮影 |
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この木 ③ は? 道から見ると大きな年輪の標本が置いてあるみたいだけど。
メタセコイアだね。見てのとおりの大木が根こそぎ倒れたんだが、道をふさいでしまった幹の部分だけを切って撤去したんだろう。
裏から見るとこんな感じ。もちろんこのあたりも通路以外は立入禁止だ。 |
9月11日撮影
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次はその近くのダイオウショウ ④ 。
葉が長くて3本のマツだよね。・・・ん? ええっ!?
まるでホウキのようだろう? 枝ごと折れて落ちている。ちょっと不思議な光景だよね。
写真の上下が逆さまみたい。 |
9月2日撮影
9月11日撮影 |
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大芝生を抜けて南に行くと、美しいクスの並木 ⑤ がある。
うん。例の川端康成『古都』で有名なスポット。
200mほどの道の両側に、100年生になるクス90本余りが立ち並んでいる。ここも、台風2日前に写真を撮っていたんだ。
緑が生き生きしてきれいだけど・・・なんか嫌な予感がする。
それ、残念ながら大あたり。ほら、台風通過後がこれだ。
ああ! 空が広くなっている。
「空が広い」は、言い得ているなぁ。今まで空を覆っていた枝葉の閉鎖が破れてしまっているからね。 |
9月11日撮影
9月19日撮影 |
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クスの並木 ⑤ のここに、2本並んで根から倒伏しているだろう。
ほんとだ。両方根こそぎだ。こういう場合って植え直すのかな。
実は気になって、台風から2週間たった19日にも見に行ってきたんだ。 そうしたら、木を起こして植え直してあった。
ほんとだ、根っこのところが盛り上がっている。うまく根付いて、何とか元気になってほしいなあ。
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9月11日撮影 |
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クスノキ並木のはずれに、ヒマラヤスギ ⑥ があったのを覚えているかな。
うん。大きくて立派な木が何本もあったよ。
ヒマラヤスギとはヒンズー語で「神の木」を意味するそうだが、その名のとおり枝ぶりが美しい木だ。明治期から輸入されて流行した。
京都府立植物園の開園は1923(大正12)年だが、それよりも前、1917(大正6)年に最初の植栽記録がある。長い時間をかけてかなりの大木に育っていたんだが・・・。
ああ、ひどい! このスカスカな感じは、枝がごっそり落ちたってことなんだよね。
倒伏、枝折れ、かなり目立っているよ。
何しろ大きな木だろう? 園内の他の場所からもよく見える、シンボル的な存在だった。だが、それが逆にはたらいてしまってねぇ・・・植物園の風景が寂しくなってしまった。たとえばここだ。
バラ園のあたりから比叡山を見たところだね。
美智子皇后が「比叡山、ここから見ると最もきれい」とお褒めになったというアングルだ。その前景として欠かせないのが、枝ぶりの豊かなヒマラヤスギだったはずなんだが。
その姿がこれでは、比叡山も魅力半減だよぅ。もう痛々しくてたまらないよ。 |
9月19日撮影 |
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あ、そうだ。レバノンスギ ⑦ はどうなの? 去年の台風で倒れて、水琴窟のあずまやの屋根を壊しちゃったという、あの木。
お、覚えていたか。中近東原産のレバノンスギ。 ノアの箱舟の材料になったとも伝えられる木だが、もう原産地でも希少な樹種だ。
珍しいからなんとか助けたいって話があったよね。
起こして植え直してあったって、ついこの間、聞いたばかりだけど(→2018.9.2ひとりごと)、まさか、また・・・。
いや、あれは大丈夫だったよ。起こしたばかりだからまだワイヤーで支えてあったんだ。それが功を奏したのか、今回は無事。再建なったばかりのあずまやもね。
ああ、よかった!! それは不幸中の幸い。でも、不幸が大きすぎるなぁ。
とにかくひどい台風だった。 こうして写真を見ていても、被害の大きさに、やりきれない思いだよ。この後にも、またやってきたし。
小さい頃から何度も出かけた植物園。仲良しの木もいっぱいあるんだよ・・・。いつもならもっといろいろ質問するところなんだけど、今日ばかりはその気力もなくなっちゃった。
じぃじ先生、これからもときどき見に行って、様子を教えてね。見守りと応援、よろしくお願いします。
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