まずは地図@のトウカエデ。例のイルミネーションの木。向かって左側の梢が折れてしまった。左上を拡大してみると、折れた部分がわかるかな。
全体で見ると、違和感はなくなってきた感じがするけど・・・ほんとだ。背が低くなっちゃった。今年もイルミネーションはあるんだよね?
12月15日かららしいよ。
いつもみたいにきれいに見えるのかなぁ。
う〜ん・・・梢が損傷しているから、ちょっと難しいかもしれないなぁ。
それに、これだけの被害だから木も弱っているよね。電飾の工事のために木に登ったりするのも心配だなぁ。
ただ、12月3日、準備しているところに偶然出くわしたんだ。クレーン車が来て、梢の枝を整理していた。だから、ここは期待しようじゃないか。
さて次。Aのヒマラヤシーダーだ。
災難続きの、満身創痍の木だね。
そうそう。もともと2017年の台風21号で大枝が2本も落ちて、さらに今回の台風で右側の枝までやられてしまった。
9月と変わらない様子だけど・・・あれ? ねぇ、この木、ちゃんと葉っぱついている? 生きているの?
ああ、なかなか悲しい姿だ。太枝だけでない、主幹も折れた。でも、ちゃんと生きているよ。残った枝に葉はついている。
ああよかった。
Bのメタセコイア。通路をふさいで根こそぎ倒れてしまった大木だ。倒れた幹のほとんどは撤去されたよ。
枝は運び出したのかな? その分、ひとまわり小さくなっちゃったみたい。
根っこの部分は、まだそのままだ。
白っぽくなっているのは、もう枯れて乾いちゃったということ? 倒れたまま、まだ放置されているのかぁ。
根は土と一体になっているから処置に手間がかかるんだよ。
それに、立ったまま傷んだ木に比べて危険性は低いし、倒木の幹や枝葉みたいに場所を取らないから、どうしても処理が後回しになるんじゃないかな。
倒れたままで生きていたり、新たに根付いたりする木もあるよね。
倒れた木をどうするか・・・起こすか、伐っちゃうかということは、どうやって判断するんだろう?
まぁ、ケースはいろいろだろうから一概には言えないが、判断の根拠をひとつ挙げるなら、起こして生育可能かどうかという点だろう。とすれば、基本は幹が折れていないことになるかな。
ただもちろん、活かす価値ある木かどうかが前提で、その判断が優先されるだろうけどね。
活かす価値・・・。あ、レバノンスギ! 倒れたのを、希少種だからって起こして植え直していた(→2018.9.2ひとりごと)。なるほど、そういうことか。
さて次に行こう。Cのダイオウショウは・・・撤去されたあとだ。折れ落ちた梢は、きれいさっぱり処置された。何もない。
これ、もともとの木の方はどうなの? 元気なのかな。
親木だね。梢はかなりやられたが、そのまま立っているよ。枯れてはいない。
ああ、ポッキリ折れているね……。
さて、Dクスの並木へきたぞ。大きなクスが90本並ぶ植物園の名所だが。
あれ? そんなに違和感がない。立派な並木道の風景に戻っているみたい。
やっぱり、そう見えるかぁ。ところが、台風被害前の9月2日と比べるとどうだろう?
ああ、違う。なんか寂しい。これ、秋だから葉が落ちて透いているってわけではないんだよね?
おいおい、クスだよ。
あ! 常緑樹だ!
そのとおり。秋の落葉は皆無ではないけれど、ほとんどない樹種さ。つまるところ、台風による枝折れがかなりあったということだ。
スケスケ感がまるで違う。やっぱり空が見えているね。
その近所を見渡すと、こういうありさまだ。
クス並木と言えば、並んで倒れていた木はどうなったの? 台風のあと起こして植えなおしたあの2本。
うん、ここだね。根元の土が盛り上がっている。
これ・・・写真じゃよくわからない。枯れていない??
もちろん枯れていないよ、根倒れした2本を起こして根の周りの土を固めたのさ。
大変ななかで、助かってほしいと木を助け起こした植物園スタッフの気持ちを想うと涙が出そう。皆さんのためにも、何とかがんばって生きていてほしいね。
さて。クスノキ並木近くのヒマラヤスギEに行こう。植物園開園よりも前、大正時代から植えられていた大木だ。ここも枝折れ倒木が相次いだ。
一見変化なし・・・。でも季節のせいなのかなぁ。やっぱりここも寂しいというか、寒々しい感じになっちゃっている。
ヒマラヤスギ林はこんな感じだ。
この倒れた幹、まだ撤去されていないんだね。こうしてみると、その右の木は枝が落ちているし、周りの木にも傷跡が見える。
ちょうど1ヵ月ほど前に、枝の撤去作業をしているのを見かけたよ。いま園内あちこちでこういう光景に出くわすんだ。
あちこちに丸太がごろごろしているっていうことだよね。私の普段の生活のなかでは、そうそう見かけない景色だなぁ。
ヒマラヤスギといえば比叡山を借景にしたアングルがあったよね。
そう、ここだ。
ちょっと復活してきている? 気のせい??
う〜ん、なんとも言えないなぁ。ヒマラヤスギというのは、もともと枝ぶりの良さが特徴の樹木だからね。難しいところだ。
・・・で、これがたびたび話題になっているFのレバノンスギ。
それそれ、待ってました! 「活かす価値ある木」だから活かされた希少種。ワイヤーで補強していたから無事で・・・うん、よかった、その後も変わりはなさそう。
ところがねぇ。レバノンスギ自体は大丈夫だったんだが、そのワイヤーを固定していた木のほうがやられてしまったことがわかったよ。
ええ!? ああ、ほんとだ。ワイヤーの上のところで、すっぱり伐られた木がある!! この木にワイヤーを固定して、レバノンスギを支えていたってこと?
そう。幹の上の方こそやられたが、根はしっかりしていたということだろう。
支えていた方、なんの木なのかな。
恐らく針葉樹だろうが、具体的にはちょっとわからないなぁ。
すごいな。もしも、この木が根こそぎ倒れていたら・・・。
レバノンスギとあずまやは一蓮托生だったかもしれないね。しっかりやってくれた。なんてえらいヤツなんだ。
でもなんだか、日が経てば経つほど、状況は深刻だね。復旧作業が、なかなか追いつかないというか。
本当にそう思うよ。じぃじ先生としても、直後に出向いた時には気付かなかった被害がいろいろあったよ。
たとえば、G半木(なからぎ)神社の周辺。この神社は植物園ができるずっと前からこの地に鎮座していて、周辺は古来の森林の姿を残しているといわれているところ。
これは、その近くにあるあずまやだ。
うわ、屋根が、屋根が! 手前の木が倒れたのかな。せっかく紅葉がきれいなのに痛々しい。根っこが怪物みたいに見えちゃうよ。
処理後の伐り株から、ナラ・カシの類と思われる。かなりの大木だったんだよ。
このあずまや、3ヵ月間このままなんだよね。今は植物の手当てに忙しくて、建物は後回しになってもしかたないんだろうなぁ。
もう1ヵ所見せよう。これはH桜林だ。
え、ここ? あのサクラのところなの? まるで芝生なんだけど。
見わたすと伐り株だらけだ。
うーん、植物園の桜といえば、そのあたり一帯がわんわん咲いているイメージだったんだけど。
わんわん、そう確かに。夜桜ライトアップなんか、凄みがあるくらいの美しさだよなぁ(→2015.4.8ひとりごと)。
来年春が心配だね。
園内は倒木もいっぱい。伐り株もいっぱい。ねぇ、そもそも倒れやすい木というか、条件ってあるの? 樹種とか、枝ぶりとか、しなやかさとか。
一般的には、広葉樹より針葉樹の方が、暴風に弱いと言われている。ただ、土地の質、生育状況などで一概には言えないだろうね。
暴風被害には、根返り、幹折れ、幹割れ、湾曲、傾斜、梢折れ、枝折れなどがあるが、最近よく話題になるのは、人工林の手入れ不足。この夏も各地で人工林被害が多かったようだ。
そっかぁ・・・。
おやおや、かなりご心痛の様子だね。
だって、悲しいじゃない? 本当にきれいなとき、皆が健康なときを知っているんだもの。こういう状況は、写真でも見るのがつらいよ。
そうだね。でも希望がないわけじゃない。これを見てごらん。I正門近くの写真だ。
うーん、ここにもたくさんの伐り株があるよ。
よく見て。真ん中のケヤキの伐り株の上だ。
あ! ひこばえだ(→2010.4ちょっと教えて)。
そうだよね。植物には再生する力があるんだよね。それに、植物園のスタッフさんたちががんばってくれている。希望を持って応援しよう!
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