今年の冬は寒かったねえ。3月に入ってようやくウメの花。
京都は雪も多かった。おかげで日課の散歩に出られないことも何度かあったなあ。
あのー、そもそもコロナが気になるからあまり出歩かないでほしいんだけど・・・。
いやいや、このあたりは人は多くない。もちろん三密にならない、いいコースがあるんだよ。
知ってるよ。じぃじのブログによく出てくるもの。
ロングコースは上賀茂神社と二葉姫稲荷・大田神社コース。ほかに、冬枯れの木越しの夕日が美しい賀茂川河川敷コース、もちろん植物園コース、とか。
もうひとつあるよ。深泥池コースだ。
京都の町と鞍馬山を結ぶ鞍馬街道を北に進むと、次第に山が両側からせまってくる。そこにあるのが深泥池だ。
聞いてはいるけど、そういえばちゃんと行ったことはないかも。
深泥池という語感、ちょっとおどろおどろしいよねぇ。
「みぞろがいけ」という呼び方にこだわる人も多いよ。「みどろ」も「みぞろ」も歴史の古い呼び名だ。
「みぞろがいけ」・・・さらにざわざわする。幽霊が出るって聞いたことがあるよぅ。
ははは。では、今日はそこをご案内しよう。
う〜ん・・・冬だからな。幽霊のシーズンじゃないから怖くないよね。
コンサートホールの横からまっすぐ下鴨中通を北上すると、突然道が右にカーブする。
うわ、いきなり池の水面じゃない!? 慣れていなかったら曲がり切れずにつっこんでしまいそうだよ。
まさか。でもまぁ、車道のすぐ横が池だからね。
水が今にもあふれ出てきそう・・・。池とは言うものの一面に草が生えていて、湿原って感じだね。
周囲1.5km。面積は9haで、その1/3は浮島になっている。
浮島? 島が浮いているの?
いや、もちろんプカプカ浮いているわけじゃないよ。
水草などの遺体が腐って泥炭化し、植生の根を支えたものが、四季と共に上下を繰り替えして発達しているんだ。
そういえば、氷河期以来の動植物が生息しているんだったよね。天然記念物に指定されているって(→2015.5.16ひとりごと)。
そう、深泥池の水生植物群落は、古く1927(昭和2)年に国の天然記念物に指定されている。
じぃじ先生の生まれる前だ。
そうなんだよ。その後、1988(昭和63)年、生物群集全体が対象になったんだ。陸地化した個所には、水面、湿原、浮島を取り巻いて、雑木林が広がっている。
えーっと、広葉樹だよね?
そう。一般には、コナラ・ネジキなど、落葉広葉樹主体の明るい林地だね。
それに加えて、地域の気候帯(暖温帯)らしくアラカシ・コジイなどの照葉樹も混生している。
住宅地のすぐ近くに、こんなすごい自然があるんだねぇ。
それを眺めながら池を1周したいところだが、このあたりも山からおりてくるシカがいるらしくて、最近は鹿よけの柵ができている。人間は入れるようだが・・・。
出られなくなったら困るからね。危うきに近寄らず、でお願いしまーす。
はいはい。もっとも、倒木も多くて、足元があまりよくないんだ。じぃじ先生も用心して、このところあまり行かないようにしている。
そう。2017(平成29)年、2018(平成30)年、立て続けに京都を襲った台風だ。御所や植物園、あちこちの寺社や公園等の樹木が沢山やられてしまった(→2018.10、12ちょっと教えて、2017.11森林雑学ゼミ)。
もうあれから5年近くにもなるのにね。すごい勢力だったんだなぁ。
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