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2013.09
森林雑学ゼミ
 

「温室効果」は悪いこと?

 

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ここ数年、“名物”と化しているゲリラ豪雨。

この数分後には青空が。

 

 

 

 
スギ人工林(成長量大)は二酸化炭素の吸収貯留に大いに貢献(→2012.3森林雑学ゼミ)。

大阪・南河内 


 

 

 このサイトでも何度か扱った今夏の異常気象(→2013.8ちょっと教えて2013.8.22ひとりごと)。記録的な猛暑・酷暑、天候急変、強日射、高温、豪雨、雷、突風。そして9月には関東地方に竜巻発生・・・と、とにかく荒っぽいのです。
 異常気象は日本だけではなく、世界各国でも見られます。ドイツでは大洪水、フランスでは夏に雪が降り、海水温は、深海まで水温0.5℃上昇とか。

 こうした異常気象はどうして起こるのか。その根底にあるのは地球温暖化、すなわち、大気中の二酸化炭素などの「温室効果ガス」の増加といわれます。
 温室効果ガスとは、太陽からの直射熱は素通しだが、それで暖まった地表の熱が外へ逃げるのを妨げ、暖かさを保つように働く(温室効果)ガスの総称です。言うならば温室のガラスの役目を果たすもので、具体的にはメタン、代替フロンなどが挙がりますが、代表は二酸化炭素です。

 この温室効果ガスが増加すると、地球に入る太陽放射エネルギーに対して、地球からの放射エネルギーが少なくなり気温は上昇します。つまり温室のガラスが厚くなり、保温性が高まるという仕組みで、これすなわち温暖化です。

 ・・・といったことが世間で広く知られるようになった昨今、温室効果ガスはどうも悪者扱いされているように思います。
 しかし、温室効果ガスそのものは決して悪者ではありません。考えてみてください。長年にわたって地球の気温が平均約14℃の「温室」状態に保たれてきた、その理由や仕組みを。
 地球は大気に包まれていますが、その中の0.04%を占めるに過ぎない二酸化炭素が、0.5%の水蒸気とともに温室効果を発揮してきてくれたのです。大気が無く、温室効果も存在しない月では、その表面温度は、日中150℃、夜間氷点下100℃だと言います。

 そう、もともと二酸化炭素は、人間にとって有難い存在、今の地球をつくった功労者です。それを悪者のようにしたのは実は人間なのでした。
 現代の人間社会の化石燃料燃焼や森林破壊などによる二酸化炭素の放出量増加は、温室効果を過剰なものにしました。
 それに伴って温暖化は進行。その進行具合は地球全体一様というわけでなく、地域による地表や大気の温度変化は、緯度により、また地表状況等によって大きく異なります。
 そしてそれは従来の気圧や大気の流れに変化をうながし、異常気象へとつながっていくのです。

 地球温暖化は、19世紀頃から予見されていたことでした。
 しかし、現実に世界的対応が具体化したのは、1988年の国連設置の気候変動政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)。そして具体的な国際的対応策が生まれたのが1997年の京都議定書(COP3)で、その後も議論は続いています(→2011.12012.1森林雑学ゼミ)。
 二酸化炭素削減は、国際的にも、国内的にも努力すべき課題です。この深刻な状況を招いた人間自らが生きていくための、緊急の最重要課題なのです。

  




(c)只木良也 2013

 

 

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