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2011.03
森林雑学ゼミ
 

樹幹解析法―年輪から木の成長具合を割り出す

 

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本物のバームクーヘン。




樹幹解析図 
縦(樹高方向)は、ぐっと圧縮して示すため、図はタケノコ型となる。

 

 

 

 

 

 「ちょっと教えて」で年輪の話をしました。 
 熱帯は別として、木の幹には、どの高さの横断面(輪切り面)でも、年輪があります。そして、例えば外から5本目の年輪は、どの高さでも5年前の年輪のはず。
 そのことを応用して木の成長をはかる「樹幹解析」という研究方法があります。

 幹を一定の長さに切り分け、その断面に見られる年輪を測定してつなぎ合わせ、現在および過去の幹の体積を算定、さらにそれから成長過程を調べるというもの。
 「ちょっと教えて」の模型でいえば、黄、緑、赤、青、茶の円錐の体積をそれぞれ求め、その差を順次計算すれば、その期間の成長量がわかるというわけです。
 手順は次のとおりです。

1 測定する木を伐倒して、樹高などを計る。

2 地上高0.0m、0.2m、1.2m、3.2m、5.2m、・・・以降、2m(あるいは1m)おきに幹 を切断して、薄い円板を採る。
地上高1.2mとは胸の高さ。樹木の大きさを表す場合、この位置の幹直径(胸高直径)が基本的な数字であるため、この高さを基準とする。

3 円板それぞれについて、幹中心を通る直交線を引き、その線と一定年ごと(通常5年ごと)の年輪の交点をマーク。
4方向について中心からの距離を測定し、年次ごとの平均直径を求める。

4 3で算出した幹断面高ごとの年次別の直径から、「樹幹解析図」を描き、直径測定の誤りをチェックするとともに、各年次の樹高を推定する。

5 1〜4までで得た各断面・各年次の直径の資料から、年次別の幹体積を求める。

このとき幹全体は、地上高が高くなるのにしたがって順次細くなる円柱の積み重ねの上に円錐の頂上部が乗ったもの、という想定で幹体積が計算される。

6 求められた年次別の幹体積から、各年次間の差、すなわち幹成長量が求められる。

 こうして求められた結果は、直径、樹高、幹体積などの今までの成長経過、また5年ごとといった、一定期間ごとの成長量や成長率の変化などを知るのに役に立ちます。
 また、ひとつの森林から何本かサンプル木を選んで解析すれば、林全体の成長状況がわかります。


(c)只木良也 2011

 

 

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