2022年3月15日、第9期生卒業式。
大学本館2階から別棟講義棟、役場の2階をお借りしている。
集会室。机・椅子・本棚・・・木材の良さを日々感じてほしい。
2022年4月5日、第11期生入学式。
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京都府立林業大学校、2012(平成24)年の創立から数え、本年で11年目となります。2021(令和3)年3月末まで校長を務めた私も、今は名誉校長に(→2021.4.8ひとりごと)。
十年ひと昔と言いますが、月日の経つのは早いものです。
開校当初、よく寄せられた質問は「なぜ、京都に林大が?」 でした(→2021.5ちょっと教えて)。
京都と聞けばかつて都のあったところ。荘厳な神社仏閣、華やかな王朝文化といったイメージがとかく先行しがちですが、実は、日本海にまで広がる京都府の3/4は森林で、森林率は全国都道府県10位という自然豊かな土地です。
そのため府が、長野、北海道、岩手、岐阜、高知などの森林県と共通の今日的課題を持っているのは当然のこと。これまで当サイトでも、現代の森林行政や林業が抱える課題や問題点は、度々扱ってきましたが(→2010.10、2015.1、2016.9ちょっと教えて、2010.2、2010.8、2019.12森林雑学ゼミ、ほか)、これらに対応できる、すなわち次代の林業を担う人材の育成を京都府でも進める必要性があることから、京都林大の誕生となりました。
京都林大の教育理念というのも、よく訊ねられたものです。これは「自然を尊敬できる人を育てたい」としており、そのもと、現在は約40名が在籍して学び、この10年間で200人近くの卒業生が巣立っていきました。
日々の学びはもちろん、林野庁長官はじめ多方面での専門家による特別講義(→2019.3森林雑学ゼミ、2012.6.27ひとりごと、ほか)、寺院修復現場等の見学(→2015.9.15ひとりごと、ほか)、三林業校交流会(→2017.12ちょっと教えて)、研修旅行や林大祭(学校祭)ほか、様々な場で様々な表情や活躍がありました。
そのなかで、ひとつ大きな思い出語りをするならば、2016(平成28)年、京都で行われた全国育樹祭でしょうか(→2016.7ちょっと教えて、2016.10森林雑学ゼミ)。当時創立5年目だった京都林大もこれに参加。それも、皇太子殿下(現、天皇陛下)によるお手入れの介添えといった大役を任せていただいたのをはじめ、また、式典テーマを書いた横断幕持ち、誓いの言葉を述べるなど、在校生のみならず卒業生も加わって、林業後継者若者集団として大活躍でした。
卒業生の就職先のほとんどは、全国の地域がそれぞれに持つ森林組合を主に、森林・林業関連です。お蔭様で、その仕事ぶりや社会性、人柄など、概ねよい評価をいただいています。
それは私自身も、シンポジウムなどで再会したことがあり、その折に感じたことでした。現業での体験を踏まえて話題提供や活動報告をする役割を担い、聴衆を前に話すかつての教え子たちの姿はとてもたのもしく、卒業後もがんばっているんだなぁと、しみじみ。彼らの成長ぶり・活躍ぶりを目のあたりにできたことは大きな喜びでした。
こうした彼らを受け容れ、より一層育ててくださっている職場の方々、また学校に大きな愛情を注ぎ、何かと支援してくださる地域の皆様の存在無くしては、京都林大は語れません。また、社会で奮闘する卒業生たちは、京都林大の名をあげてくれています。
10周年を迎え、11年目に入った節目に、心からの御礼を。そして、在校生たちにはエールを送ります。
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