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茅の輪(ちのわ)くぐりの日だよ。
そうか、今日は6月30日。「夏越祓(なごしのはらえ)」(→2011.7.2ひとりごと)だね。半年のけがれを祓い、夏以降の無病息災を祈る神事の日だ。
じゃあ、上賀茂さんまで、散歩がてらぶらぶら行こうか。
あ、白い花が咲いてる。きれいだね。
これはタイサンボク。
この間食べた朴葉巻(→2011.6.4ひとりごと)の、ホウノキの仲間なんだよ。
おいしかったなぁ♪ でも、ホウノキみたいに葉っぱは大きくないんだね。
花はそっくりなんだ。植物の分類は花が基準になるんだが、ホウノキもタイサンボクも同じモクレン科モクレン属。
ただ、ホウノキは落葉樹だけど、こちらは常緑樹だ。 |
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大きなクスノキが見えてきたよ。この川のあたりの雰囲気好きなんだ。あ、水遊びしてる〜!
上賀茂神社の社家の並ぶ、明神川。このあたりは、京都市が上賀茂伝統的建造物群保存地区と定めているね。クスノキの根元にお社があるの、知ってるかい?
藤木社だよね。
そう、説明書きによると・・・。
賀茂別雷神社、すなわち上賀茂神社の末社で、この明神川の守り神「瀬織津(せおりつ)姫」が祭神。クスノキは推定樹齢500年らしい。
500年!? すごいなぁ。
でも、不思議じゃない? これだけ大きなクスノキがあるのに、どうして「藤木社」なの?
ほんとだなぁ。昔はフジの木もあったんじゃないかな。
先に枯れちゃったのかもしれないね。
クスノキの枝に、ちがう葉がたくさんあるけど、これって着生(→2010.7森林雑学ゼミ)だったっけ?
そのとおり。この木にはいろいろな植物が着生しているなぁ。
何種類くらいあるんだろ?
ざっと見ただけでも、ナンテンとかシダの類とか10種類以上だね。でも、フジは目立たないなぁ。ほんとに不思議だね。
これは着生だけど、もうひとつ似たような用語があったの覚えてるかい? その違い、説明できるかな?
寄生だよね。違いは、う〜ん・・・。
このクスノキの立場でいうと、着生はどうってことないって感じで、寄生はちょっと迷惑してるって感じかな?
よしよし、合格だ。
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上賀茂さんに到着〜。
あ、木にラップが巻いてある!
これは、カシノナガキクイムシ(→2010.5森林雑学ゼミ)の被害を予防するための策。
ナラ枯れの話があっただろう? これはそれを引き起こす虫の進入と繁殖を防ぐための措置だ。最近、あちこちで見かけるよ。
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さぁ、おなじみ「見返りのキリ」(→2011.5.15ひとりごと)が見えてきたぞ。
枝が台風で折れちゃった、あの木だね。
でも、ブログにもあったけど、折れたところって全然わからないね。
そう、もうすっかり目立たない。でも、よくよく見ると・・・
枝が3本に分かれている、あのあたりじゃない?
わかったか? 折れた当時の写真と見比べてみよう。
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ちょっと見て見て、この貼り紙!
神馬舎か。もう夕方だから神馬はいないねぇ。
で、なんだって? ・・・馬に話しかける人なんて、いるのかなぁ。
いるいるっ、私! よかったぁ、神馬がいなくて。いたら話しかけてたよ。 |
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茅の輪、発見! くぐろうよ。
待て待て、くぐるにも作法があるんだよ。
知ってるよ。小さい頃に来たもん。
「水無月の夏越祓する人は千歳の命のぶといふなり」って唱えながら,、8の字を書くみたいに3回くぐるんだよ。
よく知ってるなぁ。ちなみに、茅の輪はチガヤという草でつくられている。
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あれ? このマツ、葉が3本ある。
そうだ。葉の数が3本とか5本とか9本とか、いろいろ種類があるんだったよね、マツには。(→2010.1ちょっと教えて)
そう。これはテーダマツという種類だ。
原産はアメリカだから、昔、献納されたものなんじゃないかな。
でもさ。大きくて立派だけど、これじゃ松葉相撲ができないね。
さ、お参りお参り。
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社殿の屋根、結構傷んでるね。
檜皮葺(ひわだぶき)というもの。
文字通り、ヒノキの樹皮を使うんだが、今、葺き替え作業の最中なんだ。
こっちはきれいだね。
そう、作業の終わった新しい屋根もあるね。
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ああ、小川に夕暮れの光があたってきれいだなぁ。
風そよぐ・・・
・・・ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける
百人一首、藤原家隆の歌。ここが「ならの小川」だよね。
そのとおり。夜にはここで、さっき奉納した人形(ひとがた)を流す神事が行われるよ。
「みそぎ」「夏のしるし」、まさに今日、この場所の歌なんだね。
茅の輪くぐりのついでのお散歩。今日はホームページの総復習をしたって感じだね♪
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じぃじ先生、ちょっと聞いて
“クスノキ”のある“藤木”社が、とっても不思議だったので調べてみたら、昔、クスノキにからんで大きなフジがあったと伝える、上賀茂の民話『黄金のつるべ』を見つけました。
昔、このあたりで、川の流れに浮かんでいた黄金のつるべに手をかけた人がそのまま高い梢(こずえ)に吊り上げられ、行方知れずになるという出来事が相次いだとか。それはさらなる昔、この地にあって枯れた藤の木の精のしわざだといわれているのだそうです。
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